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ちきんこんそめ

amazarashi Live Tour 2018『地方都市のメメント・モリ』福岡公演 感想

■amazarashi Live Tour 2018
 『地方都市のメメント・モリ』
■2018年4月30日(月・祝) 18:00開演
■会場 福岡市民会館 大ホール 33列15番

「amazarashi」ライブ行って参りました。
ライブが苦手なもずくの人生初ライブ!
先に言っておくぞ!
もずくはamazarashi大好きだが
全部の曲を聞いてるわけじゃない!
むしろ聞いてない曲の方が多いくらいだ!
言わばにわかだ!
もし、熱狂的なamazarashiファンの方が
これを読むことがあれば生ぬるい目で見てやってくれ!
無理なようであればブラウザバックだ!

だが言っておく!

サービス業の人間が!
繁忙期のGWに!
しかも月末に!
休みを無理くりもぎ取って!
後輩たちから
「てんちょーのあ~ほ~♪」
という輪唱を受けるくらいには!
amazarashiが好きなんだからな!
(それはそれは見事な輪唱でした)


さて、
amazarashiのライブはちょっと特殊です。
帽子を目深にかぶって照明を上からしか浴びない
秋田ひろむさんのお顔はお客さんには見えません。
(最前席なら見えるのかな)
秋田さんの前には薄いスクリーンが降ろされ、
歌詞や映像がここに投影されます。

これよ。
もずくがamazarashi、秋田ひろむさんに惚れてるとこ。

歌詞。

詩。

これがほんとすごいの。
物語というか、確かな世界観があって
どの曲でも絶対心に引っかかる言葉がある。
言葉での表現力。
そしてその声。

これじゃこれじゃ、
これを聴きにに来たんじゃー!


1 『ワードプロセッサー』
開幕した瞬間からものすごい音と色の渦!
怒涛の言葉。言葉。言葉。
一瞬で世界に引き込まれたし、背筋が震えた。
この歌の中で「メメント・モリ」のワードが出てきたね。

『破れかぶれに振り下ろした苛立ちの衝動を
希望と呼ばずになんと呼ぶというのか』

曲中、何度も繰り返されるこのフレーズ。
最後に口したとき声が掠れてて色気めっちゃやばかった。

ここで秋田さんのMC。

「距離にして○○キロメートル(忘れちゃった)
時間にして11年分。
文字にして11109文字。
死にたい夜を越えてやってきました。
amazarashiです。」

かっけええええええええ!!!!

声!ハスキーで掠れてて優しい声!
んんんん!!!好きじゃあああああああ!!!!

2 『空洞空洞』
やばい。めっっっちゃ好き。

『空っぽな奴ほど詩を書きたがる
ほんとそうだよな ほんとそうだよな』

秋田さああああああああん!
もうなんだろう。自問自答なんだろうか。
それともかつて誰かに言われた言葉なんだろうか。
つい深読みしてしまう。
でも秋田さんにしか書けない詩だぞこれは。

3 『フィロソフィー』
すごく格好良くて真っ直ぐな歌だ。

『なりそこなった自分と理想の成れの果てで
実現したこの自分を捨てることなかれ』

amazarashiの曲って
学生さんとか若い世代に人気だって聞くけど
この詩は大人になったもずくにこそ響いたぞ。
「なかれ」からサビに入るところが死ぬほど格好良かった。

4 『この街で生きている』
これまでの楽曲とはがらっと変わって
綺麗な街の映像と落ち着いた秋田さんの声。
命をふりしぼるように歌う歌声も大好きだけど
ゆっくり歌う歌声はめっちゃ気持ちよく染みるから好きだー。

『戦ってる相手は疑う心だ つまり自分だ』

そのとーり!

5 『たられば』
めっっっちゃ好きな曲きたああああああああ!!!!!
なにかのラジオで秋田さんが弾き語りをしたのを聴いてから
耳にタコが出来るくらい何度も聴いた。
「僕」が「もしも~だったら」を繰り返し歌う曲。

『もしも僕が王様だったなら
嫌いな奴は全員消えてもらう
僕以外みんな居なくなるかもな
なら僕が消えたほうが早いか』

「僕」が自分のことを好きじゃないのが
歌詞のあちこちから伝わってくる。つらい。
でも優しくてあったかくて悲しくてたまらん。好き。
この歌の最後の詩がやばいんですよ。
涙出た。

6 『月曜日』
月曜日がたくさん蹴飛ばされる歌(違)
歌の中で月曜日が蹴っ飛ばされたとき、
火曜日が「みんな月曜日いじめるのやめてよ!」って叫んでて
水曜日が「うるせー、火曜日引っ込んでろ」って
日曜日に媚を売るところまで一瞬で妄想したあほはもずくです。
ちがう。この曲が言いたいのはそういうことじゃない。

『好きなこと好きって言うの こんなに難しかったっけ』

わかりみがひどい。

7 『未来づくり』
めっっっちゃくちゃ優しくて綺麗で希望に溢れた歌。
秋田さん大丈夫!?(なにが)

『ありがとう ただいま じゃあね』

このフレーズやばい。
秋田さんの声優しすぎる。
「じゃあね」で声が裏返るの好き過ぎる。

8 『バケモノ』
なにこれめっっっっちゃ好き!!!
もずくの大好きな物語風の曲になっていて、
「少年」と「バケモノ」が最後どうなるのか
どきどきしながら映像に食らい付いて歌を聴いてた。

映像に映るシルエットの少女とバケモノが実に素晴らしい。
この映像のためのモデルダンサーさんがいると思うのだけど
ファンになりました!とお伝えしたい。
バケモノ、人が四つんばいになっているんだね。
動きで本当にバケモノに見える。すごい。

「僕の嘘を一つあげようか」のところで
少女が口から「嘘」を取り出す演出めっちゃ好き。

『なあバケモノ、ずいぶんうまそうに食うもんだな』

秋田さんの語りかけ好き!

9 『ムカデ』
わーーーーーーーーーっ!!!
ややややばいやばいこれはやばい!
やっべ!完全に油断してた!

確か5年くらい前に初めてこれ聴いて
「ひぃ!」ってなってそれから一度も聴いていない曲(笑)

タイトルが映し出された瞬間、もずくの脳内では

総員、配置につけ!防御シールド発動!

ってなってた。
これから受けるダメージに全力で備えた。
多分、もずくの知ってるamazarashiの中で一番こわい歌。
嫌いってわけじゃないの。これは畏怖。ただこわい。

秋田さんの血を吐きそうな絶唱がこわい。
憤怒のような衝動が確かに伝わるのに
そのくせ泣き叫んでるみたいに聞こえるからまったく卑怯だ。

『夢がぶら下がる最果ての絞首台』

自分の夢が首を吊ってるなんて絶望でしかないじゃないか。

10 『冬が来る前に』
秋田さん!今、4月!!!
タイトルが出た瞬間、即効でツッコミを入れた(笑)
「バケモノ」「ムカデ」で疲弊したところに
一気に癒しに来るあたりさすがのセットリスト。
のどかな田園風景の映像が綺麗。
秋田さんが「ずっと待ってる」って歌ってると
この人の場合ほんとうに世界が死んだその後も
ひとり待ち続けてそうでなんか勝手に切なくなるわー。

『冬が来る前に冬以外の四季を縫い合わそう
そいつをコートに仕立てて襟立てて凍えて僕は待っている』

一体なにをどうすればこんなすごい詩が書けるんだ。

11 『ハルキオンザロード』
なんだこれ。この、ものすごい情緒。
凄まじい表現力と語彙力をもっていながら
「ああ」に意味を込めて歌ってるのがすごい。
言葉にならない言葉を歌ってるのがすごい。
すごいしか言えないもずくのこの語彙力のなさ(泣)

『ハルキ、君は僕にとって腫瘍だ』

それにしても
秋田さんの歌に出てくる登場人物はまったくもってよく落ちる。

12 『空に歌えば』
なんだなんだめっちゃ格好良いぞ。
真っ直ぐで、力強い。
amazarashiには珍しい清々しさすら感じる。
キーボードの音がなんだかキラキラしてて素敵。

この曲のときのギター弾いてる秋田さんが
めっちゃ格好良いからもっとよく見たかったなぁ。
全身使ってギターぎゅいんぎゅいんしてた。
帽子が落ちないかひやひやしたよ。

あとこの曲の映像が本気出しすぎで
「目が!目がああぁぁぁー!」ってなりました(笑)
目蓋の裏がチカチカ。

『それ故、足掻け』

「生きろ」とかじゃくて「足掻け」ってとこが秋田さんだなぁ。

13 『水槽』
映像めっちゃくちゃ綺麗。
ちょっと変なこと言うけどamazarashiの曲って
暗い水底で膝を抱えて聞いていたいってとこあるから
泡の映像でちょっと疑似体験出来た感あってうれしい。

『誰かそのエアーポンプの電源を切ってくれないか
さもなくば僕がそうする』

14 『ぼくら対せかい
タイトルをみたとき「世界」を相手に喧嘩を売る
激しい歌かと思って身構えたんだけど、
なんだかこう、ひたすら切ない歌だった。

『倒れた友よ けして置いて行きはしないぞ』

秋田さんのかつての仲間に向けての詩なんかな、
と考えたところで切なさゆえのしんどさが爆発した。
秋田さんってほんと悲しいくらい優しい人だな。
いや知らんけどさ。

この曲の最後の秋田さんのアカペラはやばい。

15 『多数決』
これはなかなかえぐい曲だよね。
秋田さんの皮肉のスパイス盛りだくさん。

『罪悪も合法も多数決で決まるなら
もしかしたら百年後にはもう全員罪人かもな』

せやな。
ほんま、せやな。

16 『命にふさわしい』
これ好き!!!
正確に言うと、
この曲を初めて聴いたときはいまいちだと思った。

「んー・・・今回のはあんま好きじゃないかなぁ。
あれ、待てよ。あれ、なんかよくない?
あ、いい。好き。あ、これ神曲やん。
ああ!いい!好き!好きいいぃぃぃ!!!」

聴いてるうちに虜になってるやつ。
もずくのamazarashiあるあるなんですけどどうなんですかね。

「命」なんて自分にあってそんなん当たり前で、
だから自分が「命」に対してふさしい人間かどうかなんて
考えたこともなかったから
歌詞を読めば読むほど惹き込まれたんだよなぁ。

『裏切られたっていいと 道端ひれ伏すような
酩酊の夜明けこそ 命にふさわしい』

いいなぁ。
もずくも裏切られたっていいって叫んでみたい。
酩酊して朝日を浴びてみたい。
命にふさわしくなれたらいいのに。
あー、でもやっぱ裏切られるのはいやだ(おい)

この曲の秋田さんの全力感ほんとたまらない。

17 『悲しみ一つも残さないで』
やばい、なにこれ、すっっっごい好き・・・。
もずく、秋田さんの書くやさしい歌好きだわ。
秋田さんがMCで
「ぼくにとってとても大切な歌です」って仰ってて
すごくすごく丁寧に歌ってらしたのがたまらんかった。

そういえばもずくは旅立つ友人に対して
悲しいって思いを持ったことってないなぁ、とふと思った。
去年、古い付き合いの故郷の友人が
名古屋に行ってしまったんだけど、そのとき
「名古屋でいじめられたらどうしよう」って不安がってたから、
もしエビフライを投げつけられても大丈夫なように
「エビフライキャッチ」の練習をしたこと思い出しました。
(*注 名古屋の人はエビフライを投げつけたりしません)

自分が情緒ゼロの阿呆人間なので
誰かとのお別れをこうやって悲しんで
大事に大事に出来る秋田さんほんとすごい。
繊細で優しくて、それ故たくさん傷ついてきたんだろうなぁ。

『戦う人よ傷を癒せ 
道半ばで倒れる事なかれ
「命など惜しくない」と言うが
君を惜しむ人がここにいる』

友達にこんなこと言われたら
ぜったい生きてやるって思う。

18 『スターライト』
大っっっ好きな曲です。
カラオケでamazarashi歌うのって
ちょっと勇気がいるんだけど
これはもずくの定番でよく歌う。
みんな「これいい歌だね」って言ってくれるの嬉しくて
音痴のくせに調子に乗って歌ってるやつです。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフになってて
それだけでもたまらんのに
ジョバンニやカムパレルラまで登場するから更にたまらん。

『いつか全てが上手くいくなら 涙は通り過ぎる駅だ』


ライブの曲はこれでおしまい。

でも、全てが終わった後に
閉じた幕の向こうで
秋田さんが最後の最後に歌った歌がすごかった。

照明もないし、PVも出ない。もちろん歌詞も出ない。
ただただ暗い空間に秋田さんの歌声が響く。


最高かよ。


終演後、ロビーに今回のライブのセットリストが出てたんだけど
(人混みが凄すぎて写真は断念)
このときの「最後の一曲」が書かれてなくて
うろ覚えの歌詞を検索して探した。

『リタ』

『一つを選ぶという事は 一つを捨てるという事だ
それならいいよ 僕は大人しくゴミ箱に入って君を見送るんだ』

これもお別れの歌なんだろう。
めっちゃやさしくてめっちゃ綺麗な曲だった。
「君から借りたものは全部返すよ
君からもらった優しさ以外は」
みたいな歌詞も素敵すぎだった。

「リタ」入れて19曲もあって
もずくが知ってる曲は5曲しかなかったけど
初めて聴くのが秋田さんの生ライブだなんて
すごく贅沢なことが出来た気がするし
大好きな曲がたくさん増えた。

人生、初ライブだったけど最高に楽しかったなぁ。

あと、「ライブ」としては特殊なんだろうけど
お客さんがすごかった。

秋田さんの歌を一言も聞き漏らすまいと
お客さんが全神経を集中させてんのが分かる。

曲と曲の間が無音になることが何回かあるんだけど、
その間、客席が完全に沈黙を守っててすごかった。
『amazarashi』の世界観をお客さんが守ってた。
すごいしか言えない。すごい。

あと、秋田さんが最後の最後まで格好よかった。
最後のMCやばかったよね。

『いつかまた必ず世界のどこかで、
生きて会いましょう』

『いいたい事はこれで全部
ありがとう!』

これだよ!!!
こんなん惚れてまうやろ!!!
秋田さんがライブの始まりと終わりに
「後ろ向き、死にたがりのあなたへ」
って繰り返し優しい声で言うのたまらん。
きっとこの秋田さんの一言で
ほんとに生きていける人がたくさんいるんだろうな。
ちなみにもずくは「下向き」です。転びたくないので。

まぁ、そういう意味では
もずくは秋田さんの言う「あなた」には含まれないんだろうけど、
この位置、距離からしっかりと応援させていただきます。

秋田さんの詩に惚れてる「わたし」より。




~余談~

会場に入るときに缶バッジ頂きました。
amazarashiのイメージキャラになってる、てるてる坊主。
びっくりした顔が可愛い。

福岡は黄色だけど
これ、会場ごとに色が違うらしい。
こういうとこもめっちゃ手が込んでるのすごい。

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# by hiziki921 | 2018-05-07 22:38 | 音楽

MONO『隣の芝生も。』 北九州公演 感想

■MONO『隣の芝生も。』
■日時 2018年4月7日(土) 18:30開演
■会場 北九州芸術劇場 小劇場
■作・演出 土田英生
■出演 水沼健/奥村泰彦/尾方宣久/金替康博/土田英生
      石丸奈菜美/大村わたる/高橋明日香/立川茜/渡辺啓太



舞台はとある水周りの悪い雑居ビル。

一つの部屋にはヤクザから足を洗ったばかりの四人が集まり、
これから探偵会社を始めようとしているところ。

なんでも香港の「33K」というマフィアと揉めてしまい
そのツケを払って組を抜けたばかりだという。

ほんわかした雰囲気の神宮寺(金替康博)。
イカツイ顔で無口な桐生(水沼健)。
自己主張が強く空気が読めない田所(奥村泰彦)。
そして小心者のボス、小山田(尾方宣久)。


この四人がめっちゃ可愛い!!!


ボスの小山田がコンビニで
お気に入りのガムがないって拗ねてるの可愛いし、
ボスのご機嫌取りしてわちゃわちゃしてる三人可愛いし、
すぐに新しい言葉作っちゃうボスに対応すべく
ボス専用用語辞典作ってる神宮時最高だし、
それにめっちゃ頼ってる桐生と田所可愛いし、
ちょっとお前ら元ヤクザでしょ!?
そんな可愛くてどーすんの!

いや開幕早々たまらんたまらん。
お茶目なおじさんスキーなもずくの性癖どストライク!(性癖言うな)

でも本当はボスの不機嫌の理由はガムなんかじゃなくて
「33K」がボスの命を狙ってるって情報が入ったから。
「ヤクザから足を洗ったのにどうして!」
と驚く三人とめちゃくちゃビビってるボス。
ここでボスを励ます桐生と悪気なく追い討ちをかける田所(笑)

この最初の一幕で四人の性格と関係性が完璧に把握できるとこ
さすがMONOとしか言いようがないわぁ。

さて、
ここでお話は「お隣」にうつります。
隣の部屋は兄妹でやっている創作スタンプのお店。
なにやら揉め事が起きているようです。

経営が芳しくないばかりか、
兄の信乃助(大村わたる)がなんと失踪中。
心配のあまりイライラしてる妹の波留ちゃん(立川歩)。
放浪癖のある信乃助には慣れっこの
信乃助の恋人、相良(石丸奈菜美)。
そして店を手伝っている友人の坂野(渡辺啓太)。

波留は失踪している信之介の捜索を
隣の探偵事務所にお願いすることにします。

キターーーー!!!
話が面白くなってきたぞーーー!(笑)

そして場面は戻り、お隣の部屋。
元ヤクザたちが集う探偵事務所(仮)。

なぜだか正座している桐生。

どうやら波留から依頼された兄探しを
ボスに相談せず独断で引き受けてしまったそう。

「そんなのどうせ逃げたに決まってる」

という田所に対し、

「お兄ちゃんはそんな人じゃないんだよ!」

と、完全に妹サイドで反論する桐生面白すぎだった(笑)
波留ちゃんに完全にほだされとるーーー!(笑)

ここでの神宮司の「・・・恋だっ!」っていうツッコミ最高。

なんにせよ探偵事務所として活動は始めるつもりだったし、
「33K」から必ずボスを守る、兄探しは桐生一人でやるという条件で
ボスに快諾をもらうことが出来た桐生。

と、ここで現役のヤクザである修ちゃん(土田英生)から連絡が。
なんと、ボスの命を狙っていた男を捕まえたという。

修ちゃんはすでに組を抜けた四人を助ける義理はないんだけど
神宮寺と幼馴染なもんで犯人探しを手伝ってくれていたのだ。

拘束されて連れて来られた男。


彼こそ失踪中のお兄ちゃんでした(デデーン)


信之介はスタンプ屋の金策のために
「33K」からボス殺しの依頼を受けてしまっていたのでした。

「波留ちゃんがどれだけ心配してたか分かってんのか!」
って怒鳴りつける桐生がただの良い人でしかない。
てか、ボスもいるんだからボス殺しの方も追及してあげて(笑)

この当の信乃助がなんとも頼りなく、
へらへらとした毒の無い人物で気が抜ける。

信乃助は本当に人殺しなんて出来ないから
せめてそれっぽいフリだけでもしていようと、
ビルの周りをうろついているところを捕まったというわけで。

そして「ここ数日間の記憶がない」ということにして
信之介を無事スタンプ屋に返すことに成功。

ここで本当のことを話すわけにもいかず、
波留ちゃんからめちゃくちゃ感謝されて
しどろもどろになる桐生が可愛すぎて爆発しそうになった。

これにて事件は一件落着、といきたいところなんだけど。

この一連の騒動をどうにもおかしい、と
ビルのオーナーの娘、栞(高橋明日香)が調査する。
この栞という女性、
ボスが組にいた頃お世話になっていた「おやっさん」の一人娘。
このビルはおやっさんの所有しているビルで
それでボスは格安の家賃で部屋を貸してもらっていたわけ。

栞はボス達に見て欲しいものがあると部屋にやってくる。
それはおやっさんが所有していた日誌や会計帳など。

ここで四人がわちゃわちゃとダンボールを漁るのを
叱咤して座らせるところ、さすがヤクザの娘。
貫禄がやばい。姉御と呼ばせていただきたい(笑)
で、栞に自分の椅子を取られてオロオロしてるボスが可愛い。

おやっさんは今病気で入院している。
しかし、怪しい男が病室に入っていくのを見た。
見舞いに行ったボスも、娘の自分すら面会謝絶だったのに、だ。

そして調べていくと、
おやっさんが組を裏切って「33k」と繋がっていたことが分かります。
このビルを格安で貸したのも、
そのことをボスに勘付かれたと思い込んだおやっさんが
自分の手の内でボスを始末するためでした。

つまり、ボスを殺そうとしていたのはおやっさん。

病院にいるのも面会謝絶なのも
病院と裏で組んでいるおやっさんが
身の安全のためにこもっているだけ。

信之介は「33K」に雇われたわけじゃない。
家賃を半額にする条件でおやっさんに雇われ、
ボスたちの会話を盗聴するのが本来の役目でした。

トイレの水道管に仕掛けられた盗聴器。
水はけが悪かった原因はこれだったのです。

もうこの怒涛の伏線回収のカタルシスがたまらない。
こういうお芝居久々だったから嬉しい。
すべてのピースがはまっていくこの快感。好きだ!

おやっさんを信じていたボスはこの事実に深く傷つきます。

「俺、いつもこうなんだよ。
俺だけなにも分かってないんだ。
でもまわりのやつはみんな分かってるんだ。
学生の頃も、秘密だって言われたから
ずっと言わずに黙ってて、
でも結局そいつが自分でみんなに言いまわってて
俺だけなにも知らずにずっと秘密守ってて。
いつもそうなんだ。
俺だけなにも分かってないんだ」

「ボス、俺たち分かってましたよ。
ボスがヤクザに向いてないってこと。
俺たち本当にボスに付いていっていいのかって
話し合ったことだってあるんですから」

「俺たち、ボスが可愛いんです」


ああああああああ!!!
おっさんが全員可愛いいいいいいい!!!
(心からの絶叫)

もう、もうね!
ここの心底落ち込んでるボスと
「本当にしょうがない人だなぁ」って
困ったみたいな顔で笑ってる3人の対比が!
たまらん!好き!おっさんたちの絆!好き!!!

正直、もずくも最初はボス役をやってるのが
四人の中でも最年少の尾方さんで「あれ?」って思ったんです。
しかも尾方さんって華奢で色も白いし、
「ボス」って感じしないのになーって思ってたけど
ここまで観てきてなるほど納得です。
こんな愛くるしいボスならそりゃ尾方さんしかいないわ。

さて、
この直後、外から銃声。
修ちゃんが襲撃されました。
幸い、命には別状はなかったものの、
病院へと緊急搬送されてしまいます。

翌日、元ヤクザたちの部屋に相良と坂野がやってきます。

「この部屋から出て行ってくれませんか」

相良たちは昨日の事件を知って
波留ちゃんのスタンプ屋に被害が及ばないよう、
原因であるボス達に出て行くよう頼みに来たのです。

「大丈夫ですよ。もう出て行きますから」

そこにはかつてのヤクザの装いをした田所がいました。
神宮寺、桐生、そしてボスも集います。
四人の目的はおやっさんのいる病院へ向かうこと。

おやっさんを殺すために。

全員死ぬことを覚悟して
ヤクザとしてのけじめをつけようとしているのです。
と、そこへ相良と入れ替わりに波留ちゃんがやってきます。
相良が自分のために失礼なことを言ったと謝りに来たのです。
ここで四人の様子を不安に思った波留ちゃんが
桐生の手を握ったところ、あの、もうマジやばかった。

桐生がね、
波留ちゃんの手をとっさに握り返そうとしてやめるの。
それだけでもやばいのに、波留ちゃんの手が離れたあと、
自分の手を一瞬じっと見つめたとことかもおおおおおお!!!
桐生うううううう!おまえいい加減にしろおおおおおお!!!
桐生役やってる水沼さん、ただでさえ目つき悪いのに!
このとき頭を坊主にしててさらに顔つき超怖いのに!
可愛い女の子に惹かれてピュアラブ状態とか!
でも巻き込まないために身をひくとか!
可愛いのはおまえじゃああああボケぇぇぇええ!!!(吐血)

いや、気持ち悪くてすみません。
久しぶりに性癖どストライクだったんです(性癖言うなってば)
ちょっとタガがはずれました。
このお芝居を観た方、分かってはいただけませんか。
四人のピュアなおっさんに滾るこのもずくの気持ちを・・・。
DVD買ったらここ何度も見返そ(買うのは確定)

波留が帰った後、
たくさんの武器が入ったカバンを持って栞がやってきます。
家庭を顧みない父親のことを憎む栞は四人に手を貸してくれたのです。
部屋を出て行くときに田所と桐生の交わした

「隣、寄ってくか?」

「いい」

っていう会話がめっちゃ好き。
命の保障がない仕事を前に
仲間うちで交わす余裕交じりのジョークってよくない?

そしてボスと、栞の関係もいいんですよね。
栞は父親のことは嫌いだけど幼い頃に死んだ母親のことは好きで。
そしてボスは栞の母親のこと、実はずっと想ってて。

「母は、小山田さんのこと好きだったんだと思います。
あたし分かります。娘だから。」

この台詞めっちゃいいよね。
栞の母親が生きていたときに
ボスがそういうとこに気付けていたら
きっとなにかが変わっていたのかもしれないけど、
ボスってばやっぱり分かっていなくて。
(おやっさんの奥さんに手ぇつけたら殺されるんだろうけど)
でもきっとボスがそういう人だから好きになったんだろうなぁ。
そしてヤクザたちが消えた部屋。

最後に残ったのは栞と信乃助。

信乃助役の大村さんって何気にすごくて。
こんなに事が大変なことになって
みんなが大変なことになって
その責任の一端は自分にもあるのに
信之介はずーっとへらへらしてる。
「僕言われたことしただけだよ?
あれ?あのとき本当のこと言ったほうがよかったの?
あれ?みんななんか大変そう。
なになに?どうしたの?僕にも教えてよー」
悪気もなく、嫌味でもなく、
純粋にこんな酷いこと言っちゃう。
なにも分かっていないし分かろうともしていない。
途中まで可愛いアホの子だと思っていた分、
あまりの気持ち悪さにぞっとしたぜ!(褒めてます)

そんな信之介と二人になって、栞が漏らした一言。

「ヤクザと私たち、どっちが悪い人間なんだろうね」

ってのは実に重みがある。
信之介には理解できないんだろうけど。


エピローグ

スタンプ屋では相良と坂野、
そして回復した修ちゃんが和気藹々と話をしている。
相良と坂野は婚約。
信之介は相変わらず失踪しているようだ。
波留ちゃんも兄の失踪には慣れたのか、
そこまで心配もせず自分の留学の準備を整えている。
栞は最近あまり姿を見せなくなったようだ。
隣の部屋には本物の探偵事務所が開業して
あのヤクザたちの音沙汰は無い。

平和な日々を謳歌する皆々。
しかし、修ちゃんの服には「K」のバッジが光り、
波留ちゃんは皆になにか隠していることがあるようで---。

ここで舞台は暗転します。


おい。
おいおい、待ってくれ。
シンプルなエピローグだけど、
不穏の種が異様なほど蒔かれているぞ。

修ちゃん、うそだろ。
「K」のバッジって、うそだろ。
最初から裏切ってたのか。
幼馴染の神宮寺を裏切ったのか。

栞はどこいった。
なんで顔を出さなくなった。

信之介は本当にいつもの失踪なのか?

ねぇ波留ちゃん。
なんでいきなりスタンプ屋の経営うまくいってんの?
波留ちゃん、留学って、ねぇそんなお金どこから?
トイレに15分も篭ってなにしてたの。
本当に掃除してただけ?
そこってさ、信之介が盗聴器仕掛けてたところだよね。
ねぇ、波留ちゃん、「あたし実は---」の続きはなに。

MONOやばい。
なにこの仕掛け。
結局、なにも信じられなくなったんですけど!(笑)
物語の中で答えが明確に出されない分、
こっちは余計にもやもやしちゃうだろおおおお!(笑)

このお芝居の凄いところって
「肝心なところは客には見えていない」
ってところなんだよね。
修ちゃんが襲撃されるところも、
ヤクザたちの襲撃の結果も、
肝心の栞目線の話ももずくたちには分からない。
結局、黒幕が誰かも分からないし、
真相がどうであったのかも分からない。
ボスが「俺はなにも分かっていない」
って言っていたけど、お客さんもそうなんだ。
もずくたちもボスと一緒なんだ。
こんだけ「悪」と「善」が曖昧で
裏も表も分からないような世の中なら、
そりゃあ小山田のような分かりやすい人間が
人から愛されるのもそりゃ納得だわな。

でもひとつだけ確かなのは
あのヤクザたちは無事では済まなかったなんだろうってこと(泣)

こえー。
MONOこえー。
どうか、願わくばもずくの疑心暗鬼であって欲しい。
波留ちゃんの「あたし実は」の続きは
「あたしめっちゃう○こ出るんですよ」とかであってくれ。
(それはそれで最悪だろう)

いやー、やばい。
超面白かったー。
大当たりだった。
おっさんスキーな目線を抜いても最高だった。
DVDになるのマジで超楽しみ。

この公演のあとにはトークショーがあって、
観る前は明日も早いからさっさと帰ろうって思ってたのに
トークショー全力で楽しんだもんな(笑)

水沼さんと尾方さんと渡辺さんがしきりに
「北九州のお客さんは芝居観るのが上手い」とか
「欲しいところで的確な反応が返ってくる」とか
こっちが喜ぶことばかり言ってくれるから
始終「えへへ」ってニヤニヤしてた(気持ち悪い)

公演直前に丸坊主にした水沼さんが
自分の頭を撫でながら
「ツアーでもうだいぶ伸びたんだよなー。
どれくらい伸びたか計っときゃよかった」
って悔しそうに自分の太ももパーンって叩いたの可愛かった(笑)

来年はMONO30周年だけど
残念だけど北九州には来られないようです。

・・・さて、追いかけるか(本気)



# by hiziki921 | 2018-04-18 23:49 | 芝居の感想文

TEAM NACSおみやげ話

文字通りの「おみやげ」話。

毎回NACSを観に行くと
なにかしらついおまけ目的でグッズを買ってしまうんですが
今回のお目当ては「みそしる」ですよ。

なにも知らない方が聞いたら
「なに言ってんだお前」感満載ですが、
公演を観に行った方なら分かってくださるでしょう。

恒例のダジャレグッズの「みそしる~PARAMISO-SHIR」に
ランダムで封入されている略綬風バッジがめっさ可愛い!!!

しかももずく、観てたときには気付かなかったんですけど
舞台の上で実際にメンバーが衣装に付けていたそうで。

全6種。
旗(森崎)・花(安田)・戦車(戸次)・鋏(大泉)・銃(音尾)。
そしてタイトルのロゴ。

狙うは花と鋏!
この二人のバッジはキャラクター性が現れてていいなぁ。
ちなみにこれもずく、ずっと旗=音尾さんだと勘違いしてました(笑)

全部集める気はないし集まるとも思っていないので
物販で2箱だけ購入。

すると、
なんと母がトイレに行った隙に6箱購入してきた(笑)

つまりみそしる、計8箱。

TEAM NACSおみやげ話_f0085236_01433739.jpg

多いわ!(笑)


いや、でも前向きに考えると
上手くいけばこれで全種揃っちゃう可能性も・・・?


いざ!


開封!!!



TEAM NACSおみやげ話_f0085236_01454789.jpg


嘘だろ(笑)




8つもあって欲しいところにかすりもしねぇ(笑)
てゆーか戸次!おい戸次!(笑)
こっちが呼んでるときは来ないくせにこういうときだけ!
戸次さんそーゆーところだよ!
(注:戸次さんはなにも悪くありません)

最後の一箱で旗が出たときめっちゃ安堵した(笑)
いや、戦車もロゴもどちゃくそ可愛いんですけどね。
和風だから手触りがザラザラしてて好き。

それにしても
うぉりやーの時からグッズ買ってるけど
大泉さん関連のアイテムが来たこと一度もないなぁ。
雨が降るたびに大泉さんのせいにしてるから・・・?(おい)

メンバーカード入りチョコクランチも購入しましたが、
こちらは森崎さんが出たので母が大喜び。
父にめっちゃ自慢してました(やめてあげてよぉ)

ひとまずNACS公演に関する記事はこれでまとまったかな。

つい先日無事に大千秋楽を終えたということで
あらためてキャスト、スタッフの皆様お疲れ様でした。
ちゃんと北の果ての島で北海道のために、日本のために、
戦って散っていった人たちがいたこと、覚えてるんで。
忘れないんで。
本当にありがとうございました(三つ指でお辞儀)




# by hiziki921 | 2018-04-03 02:02 | 芝居のひとりごと

TEAM NACS第16回公演  『PARAMUSHIR ~信じ続けた士魂の旗を掲げて』 福岡公演千秋楽 カーテンコール感想 

さあ、
『PARAMUSHIR』感想、カーテンコール編。
役者さんのコメントについては
だいたいこんなことを言っていたという感じで書いています。
実際のコメントとは微妙な差異があると思いますがご了承ください。
(本編の感想はこちら)

お芝居終了後、下手から
音尾さん、大泉さん、戸次さん、安田さん、森崎さん
というおなじみの順番で整列。

この日が3月11日ということで
音尾さんがとても慎重に言葉を選びながら
この日にこのお芝居を演じることの意味と意義をお話してくださいました。

と、
こちらのじーんとした感動を吹き飛ばすかのように



突如始まるあいうえお作文(笑)



いや、NACSのこの切り替えの早さ好きですよ(笑)

音尾
「いったいどこから始まったのか記憶はございませんが
カーテンコールでは感謝のお気持ちをあいうえお作文にして
皆様にお伝えするというのが恒例になっております。

えー、今回のテーマはねですね、
会場が「福岡サンパレス」ということで
「サ・ン・パ・レ・ス」でいかせていただきたいと思います。」

この音尾さんのコメントの時点で
「ン」が当てられた大泉さんが下を向いて笑ってて
お客さんも先のことを予感してクスクス笑っちゃってた(笑)

さ『最後にどうしても言っておきたいことがあるのですが』

そしてターンが回ってきた途端怒る大泉さん(笑)

大泉
「いや、いつからあいうえお作文が始まったってねぇ!
この馬鹿(音尾さんを指差して)のせいですよ!
そして俺はこいつは馬鹿だから
どうせサンパレスって言い出すって分かってた!(観客から拍手)

あー、んー・・・

ん『(う)んこしてからにしようと思ってましたが』」

まぁ、「ン」があたった時点で
「うんこ」って言うんだろうなぁとは思っていましたが(笑)

これ、あとで音尾さんに
「前もって分かってたのにそれなの?(笑)」って言われてた。
た、確かに!(笑)

戸次
「俺は!まったくなにも考えてなかった!!(堂々)
音尾が言い出して「ふくおか」でくるかなぁ、と思って、
だったら「おっぱい」でいいかとか思ってたんだけど」

と、戸次さんが戸次節全開だーーー!(笑)
あと、「ふくおか」は4文字ですよ!(笑)

ぱ『パッと、楽屋を片付けねばならんのだよ』

戸次さんのこれで会場から「えーーー?」の嵐(爆笑)

大泉
「話終わっちゃったじゃん!
安田とリーダーどうすんのよ!
あと二人で話し作んの!?(笑)」

こういうときの大泉さんのツッコミの速さはさすが(笑)

あと、戸次さんがお話してくれた
安田さんとの飲み会のお話が好きでした。

このツアー中に
戸次さんが安田さんを部屋飲みに誘ったとき
ルームサービス大好きな安田さんが
ワゴンごと戸次さんの部屋に来たの超面白かった。

戸次
「スモークサーモンとか用意してくれてて
いやー、奮発したなぁ安田さんって(笑)」

昔は「俺が誘っても絶対こねぇ!」って愚痴ってたのに(笑)
そうか、安田さんと二人で部屋飲み出来るようになったんだねぇ、
よかったね、戸次さん・・・。
って、誰目線か分からない感慨を抱いてほっこりしたもずくです(笑)

そしてここからの安田さんのお話、超可愛かった。

安田
「僕が一人で眠りたくない。ツアー終わるの寂しい。
やだやだって言ってたら、マネージャーがね、
ベッドの側に立って僕の口をそっと塞ぐんだね(笑)
で、パッとはなして、僕がまたやだやだって言い出したら
またパッて塞ぐの。ひどくないですか?(笑)」

惚気かよ(笑)

ちょっとー、カーテンコールで
安田さんからマネージャーさんとの惚気聞かされたんですけどー(笑)

多分、そのときお酒に酔ってたんかもしれんけどいやアレだね。
安田さん、歳を追うごとにどんどん可愛くなっていってる気がする(笑)
あと、関係ないけど安田さんが大きな口開けて
声を出さずに大笑いしてるの見るの好き。
今回、席、めっちゃ遠かったけどこの表情だけは分かった。

安田さんが担当する「れ」は難しいだろうなぁと思ったら

れ『歴史から学んだことを忘れずに』

と、きたもんだからもう、客席からは拍手喝采でした。
さっきのひどすぎる戸次さんとの対比がもう(笑)

そしてリーダー、森崎さん。

森崎
「作品の中に出てきた戦車と花畑、
これは今もこのままの姿であの島に残っています」

この一言で、これまで笑顔だったのに
また涙が溢れてダバーッってなった。
森崎さんが遠い北の果てのあの島が
まるでそこに見えているように話すからさぁ。

森崎さんの声ってすごいよね。
なんか気持ちが落ち着くって言うか
ちゃんと深いところまで染み渡る声っていうか
講演会のお仕事がいっぱい入ってくるの分かるわぁ。

で、これまでのあいうえお作文を聞きなおして

音尾「最後にどうしても言っておきたいことがあるのですが」

大泉「(う)んこしてからにしようと思ってましたが」

戸次「パッと楽屋を片付けねばならんのだよ」

安田「歴史から学んだことを忘れずに」


森崎
「だいたいお前が悪いぞ大泉ぃ!!!」



観客爆笑。
森崎さんの学校の先生みたいなツッコミ好きだ(笑)

で、森崎さん、なんて言うのかと思ったら


す『すぐに次の舞台でお会いしましょう!』


これだもん!
観客もう大盛り上がりさ!!!

でも、もずく拍手しながら
「嘘つきー!次の舞台って3年後じゃーん!」
って思ってたんですけどね(笑)
でもまぁ3年って実際あっという間ですからね。
悪童なんてついこの前な気がするし
うぉりゃーだってまだ3年前くらいの気がしてる。

だから次の公演もきっとすぐなんだろうね。
うん、分かったよリーダー!

で、森崎さんがさ、
最後の最後に舞台からハケるときに
握りこぶしで自分の胸をとんとんってする仕草、
あれマジで本当に超大好き。

ちなみにこれは余談ですが
今回一緒に観に行った母が森崎さんのことを大好きになりました。
どれくらい好きになったかというと、
もずくが終演後に「お父さんのご飯なに買って帰る?」と聞いたら



「いやごめん。
ちょっと今、ほかの男のこと考えられない」



それが父が森崎さんに負けた瞬間だった。



# by hiziki921 | 2018-03-31 23:35 | 芝居の感想文

TEAM NACS第16回公演 『PARAMUSHIR ~信じ続けた士魂の旗を掲げて』 福岡公演千秋楽 感想

■TEAM NACS第16回公演
 『PARAMUSHIR ~信じ続けた士魂の旗を掲げて』

■日時 2018年3月11日(日)
■会場 福岡サンパレス 1階31列8番
■原案・演出 森崎博之
■脚本 林 民夫
■出演 TEAM NACS
 森崎博之/安田顕/戸次重幸/大泉洋/音尾琢真 ほか


1945年8月15日。
この日、日本は無条件降伏を受け入れた。

しかしその後、
突如としてソ連軍の大部隊が、
武装解除した孤島に攻め入ってきた!

気持ちをもう一度奮い立たせ、
再び銃を持つ兵士たち。
彼らが立ち上がらなければ、
北海道は二分されていたかもしれない。

日本最後の戦いの司令部があった「幌
筵島」。
私たちはまだ、その島の名前さえ知らない。



はい、行って参りました。
3年ぶりのNACS本公演。
あのー、今回はねぇ。
過去に観たお芝居の中でトップ3に入るレベルで泣いた。
もうやっばい。色々やばい。
語彙力が四散する勢いでやばい。
なにを言っても、なにを書いても陳腐で野暮になりますが
忘備録として感想を付けさせていただきます。

例によってネタバレ注意です。
東京公演に行かれる方は戻ることを超お勧めします。





・水島 哲/軍曹 (大泉洋)
部下を厳しくまとめ上げる軍人・・・かと思いきや、
日本の敗戦を知った途端、
服を脱ぎながら泣きだしちゃう人間味溢れる人。
敗戦の知らせにショックを受けつつも
家族の元に帰れるという事実に希望を抱く。

敗戦直後に無礼講ということで
自分の部隊の部下たちと酒を飲み交わすシーン。

「母ちゃんに会いたいであります!
昨日までは、平気だったのであります!
昨日までは国のために死ぬ所存だったのですが、
今は・・・今はだめなのであります!
自分はどうやら頭がおかしくなったのであります!」

「・・・おかしくねぇよ」

ここの大泉さんがすっごい好き。
水島軍曹には函館に残してきた奥さんと娘さんがいて、
実は会いたくて会いたくて仕方がない。
「俺の話はいいよ」と言いながら
「それはそれは可愛いのでしょうね」と部下に言われて
それまでの我慢が決壊しちゃうところとか(笑)
実家が床屋だからって部下の髪を無理やり切ろうとして
部下を追い掛け回すシーンとかさぁ、
ここの水島軍曹がすごく大泉さんそのもので大好きだった。

だから、ソ連から攻撃を受けたとき
水島軍曹が部下たちを無理やり故郷に帰らせるとこ泣けた。
ほんとは自分だって帰りたいくせにさぁ・・・。
髪を切ってやるって約束したんだから守らなきゃだめだろぉ・・・。
この部下の3人がのちに水島軍曹の戦死を知ることを考えたら
その想像だけで涙が止まらなくなって困る。
ていうか、もう、今もずくこれ書きながら泣いてる(笑)

筵島での戦いでまったく別の部隊だった4人と
最後に共に戦うことになって絆を深めていくんですが

いいよね・・・。
ここの大泉さんもいいよね・・・。

終戦を聞いてから心がどうしても故郷にあるから
「もういやだ。戦いたくない。家族に会いたい・・・、
昨日から、俺は揺れてばっかりだ・・・」
ってうずくまるところとか、心の弱さが
すごくすごく人間らしくてあったかくて優しくて好き。
大泉さんの人柄あってこその、この水島軍曹の人間味いいよなぁ。
水島軍曹、生き残ってもらいたかった・・・。


・矢野 正三/整備兵 (音尾琢真)
死に場所を求めて、それゆえ戦場を求める兵士。
オープニングで「家族」を語る水島軍曹とは対照的に
「なにが家族だ」と吐き捨てる冷酷さを見せる。
戦場で恐怖のあまり戦うことが出来なかった仲間や
幌筵島の最前線から生き延びてきた田中を「臆病者」と罵る。

でも、本当は恐怖で戦うことが出来なかったのは矢野自身。
序盤で矢野がずっと名前を呼んで罵っていた「山下」は
過去の戦場で銃弾を浴びて戦死していました。

「俺が銃弾を浴びていた間、お前はなにをしていた」

山下の亡霊がずっと矢野に問いかけてきます。
矢野は過去から目を背けて自分の記憶を改竄していたのです。

「そうだ・・・。塹壕の中で震えていたのは俺だ。
臆病者は・・・俺だ」

でもさ、これさ、責められないよね。
死にたくないって、震えてる人、責められないよ。
でも、戦って死んでいった人がそれを責めるの分かるよ。
そうだよね。責めたくなるよね。
でも頼むからもうやめてあげてよぉ!

ってもずく、ずっと山下にお願いしていました(笑)

でも実際、自分を責めていたのは矢野自身で、
最後の最後の戦闘のとき、山下の亡霊が現れて

「死ぬなよ」

って言ったとき、涙が止まらなかった。
山下あああぁぁ!!!!好きいいいぃ!!!(絶叫)

なのに・・・死んじゃったんだなぁ・・・矢野・・・。
死にたがってたときには死ねなかったのになんて皮肉だろう。

この矢野の真実を知ってからもう一度冒頭の
「山下はどこだ」って探してるシーン見たら
いろいろ違って見えるんだろうな。

ほかの4人に比べて過去が語られなかった矢野。
「なにが家族だ」っていう台詞もあったし
故郷に大切な人もいなかったのかな。
だからこそたった3日間のこの「チーム」がこの5人で本当によかった。
みんなで約束のカレー・・・食べに行けたら良かったのになぁ。

ちなみに家に帰ってからパンフレットを読んで
音尾さんのおじいさんがガダルカナル島で
戦死されたことを知って思わず頭を掻き毟ったもずくです。


・田中 誠/二等兵 (戸次重幸)
いつも下手くそなハーモニカを吹いてみんなから怒られている。
明るく能天気な青年。

すごく戸次さんらしい青年。

戦車の前でみんなが故郷の話をするとき、
人が話す全ての場所や店に反応を見せて
お客さんからあったかい笑いを誘うのだけど
実は、それは彼には故郷がないから。

孤児院で育った彼は各地を転々と放浪していて
水島軍曹が話すカレー屋や
桜庭が話す映画館を知っていたのもそのため。

「母の足はとても速くて
追いつこうと思ったんですが追いつけなくて・・・。
きっと、母はすごく急いでいたのであります!」

田中が唯一覚えている母の後ろ姿を笑顔で話しているとき、
他の4人と客席にいる2000人以上のお客さん全員が思ったと思う。

おまえ、それは捨てられたんだよ、って。

それを田中以外の全員が分かっていることが辛い。
や、多分、田中も分かっているんだよね。
それでも笑顔でそれを話すから。
そんな田中だから、桜庭もあのチャップリンの話をしたんだろうなぁ。
いつもハーモニカで吹いているへたくそな曲が
「ふるさと」っていうのも、なんかもう、ひたすら切なくて辛い。

田中には奥さんと生まれたばかりの子供がいて
みんなで勝手に名前を付けようとするくだり好きだった。

太郎って付けようとして全否定食らう矢野と
自分の名前を付けようとする小宮と水島(笑)
桜庭のハモニ男はないよね(笑)

作品の中でもいじられ愛されキャラの戸次さん。
この田中こそ、この男こそ、生きて帰るべきだった。


・小宮 勝四郎/少尉 (森崎博之)
5人の中では一番階級が上。上官。
父親が有名な軍人。
戦場経験が浅いため、指揮能力に欠け、
部下に不遜な態度をとるが人の良さは隠し切れない。

オープニングで5人がたまたま揃うシーンでは
いわゆる「無能な上官」感が半端なかった小宮。
でも酔った水島にからまれても無かったことにしたり
戦車の砲身を海に捨てたと嘘を付いたことも
聞かなかったことにしてあげたり
「無能な上官だけどいい人」っていうのが伝わってくる。

戦場で経験豊富な桜庭に場を仕切られたり
錯乱状態の田中に銃で撃たれたり
とことんいいところがありません。
ちなみにこのシーンでの
「なぜ撃った!?なぜ撃ったー!?」
がものすんごい好きです(笑)
銃弾が飛び交う中
「うお!おおおおお!」って叫んで
わたわたしてるの不謹慎だけど可愛かった。

撤退の指揮を桜庭に反対されるも
それが島の女達を守るためだと知ると
「それを早く言えー!」って怒鳴るところとか
なんか、無能だけどほんっといい人なんだなってのが分かる。

小宮は、本当はプロ野球選手になりたかったんですよね。
でも父親にそれを反対されて軍人にならざるを得なかった。
そこでまるめた軍手をボールに見立てて投げあいっこするシーン、

ここほんっっっとうに好き!!!

森崎さんの「なああぁぁぁー!」が聞けるなんて思わなかった(笑)
こんなにシリアスなのにどこか見ている人が
ほっとする笑いどころを作ってくれるのありがたい。
みんなでぽんぽんボールを投げ合ってお話するのいいよね。

「ほんとは人に命令するの大嫌いなんだ」

この台詞から察するに小宮は
自分が軍人に向いていないの分かってるんだよね。
現状の自分と理想の自分にすごく差がある。
だからこそ

「あんただから話したんだ。
ほかの上官だったら適当に奇麗事を並べていましたよ」

「俺たちはあんたを覚えてる。
あんたは小宮勝四郎。おれたちの上官だ」

この言葉にどんだけ小宮が救われたか知れない。

最後に5人が生き残った兵士達と合流して
小宮が総指揮を出すところ本当に滾った。
「最高の上官」が生まれた瞬間だったのに
この軍人は記録には残らなかったんだなぁ。


・桜庭 仁平/上等兵 (安田顕)
激戦地であったガダルカナル島の生き残り。
療養所にて廃人同然で入院していたが
缶詰工場で働く女性を守るために
再び銃を取って戦地へと赴く。

この人はとにかく過去が壮絶すぎる。
地獄でしかない戦場を生き延びたと思ったら
東京大空襲で家族は全員死んでいたなんて。

桜庭がガダルカナルでの凄惨な体験を語るとき
戦車に無数の兵士達の亡霊が
這い寄ってくる演出死ぬほど怖かった。
でも、きっと本当にああだったんだろうね。
戦場で死んでいった人たちは
きっとああやってうごめきながら死体の山になったんだ。
森崎さんのこの演出やばい。
想像力を刺激される。やばい。

戦場で地獄を見たと泣く水島に対して言う

「涙が出るのは本当の絶望ではない」

この台詞は聞いた瞬間鳥肌が立った。

「なぁ、教えてくれ。涙ってどうやったら出るんだ」

この桜庭の問いかけに誰も答えることが出来なかったけど
そのアンサーが50年後に分かるなんて。
あのときあの場所で偶然出会った5人の「チーム」。
結局、生き残ったのは桜庭だけ。

あの戦いから50年後、
筵島に行くことは出来ないため
対岸の岸から霧に包まれた状態の
筵島に向かって
遺族が慰霊を行っていました。

年老いた桜庭の絶叫が響く。

「なんで生き残ったのが俺なんだ」

「この50年だって地獄だった」

「この国はおまえたちを覚えていないんだよ」

もう、ほんとこの絶叫を聞くのが辛くてさぁ。
もずく、ずっと心の中で「ごめんなさい!」って謝ってた。

地獄の戦場を生き抜いて、地獄の50年を過ごしてきた
桜庭はこれまでだって泣いたことはなかったんだろう。

ふと、
一年中霧に包まれているはずの
筵島に日差しが射す。

見えたのは



戦車と花畑



声を上げて咽び泣く桜庭。


うわあああああああああ(号泣)
もずくだって桜庭に負けず劣らず泣いてたからね!
終わったってことでいいんだよね!?
桜庭の地獄は終わったってことでいいんだよね!?
田中の子供や水島の子供に会えたことも
これからの桜庭の人生にとって光になるんだろう。

それにしても過酷なものを背負わせると
安田顕の右の出るものはいないな。



あー、
もう泣いて泣いて辛い。
もずく、今回1階席の一番後ろの端っこの席で
キャストの表情とかまったく分からんかったのに
それでもこんだけ心臓が締め付けられたのってすごくね?

さらに言うなら
もずくって戦争ものってすごく苦手なんですよ。
人間が死ぬほど憎くなったり
人間が死ぬほどいとおしくなったり
心臓の辺りがぎりぎりして
「ごめんなさいごめんなさい」って
よく分からない誰かか何かに対して謝りたくなる。
あの感覚めちゃくちゃ苦しいからいやなんだよね。

野田秀樹さんの逆鱗見たときもこの症状になったし、
今回だって客席で心臓が痛くて痛くてたまらんかった。

この感覚を味わいたくないから
楽しくて綺麗なもんだけしか見ないようにして
いろんなこと知らない振りしてる馬鹿野郎でいたいのに
野田さんもNACSもそれを許してはくれないんだなぁ。
逆に言えばもずくがギリギリ人間らしくいられてるのは
こうやって目には見えない大事なものを
教えてくれる人たちのおかげなんだろうなぁ。


もずくの感想の書き方だと
どうしても5人に焦点が当たってしまうんだけど
アンサンブルの方達も本当に素敵でした。
綺麗な歌を歌って花を植えた女性達も
名前を知られることもなく散っていった兵士たちも
本当にそういう人たちが70年前にいたのだから。

あ、ダメだ。
書いてたら泣けてきた(笑)

もうほんとこんなんだから
逆にサントラなんて買えない。
NACSの告知動画で流れる
あのテーマ曲聞くだけで涙腺が壊れるのに
サントラなんて聞いたらどうなるか分からない。
でもあのテーマ曲好きなんだよなぁ。
オープニングどちゃくそ格好よかった。

さて、
カーテンコールについてですががらっと雰囲気が変わるので
そのレポートはまた別記事にして載せたいと思います。
今はただ、本編を思い出して泣く作業に入りたいと思います(笑)



# by hiziki921 | 2018-03-16 18:47 | 芝居の感想文



福岡在住管理人もずくの芝居に関する一人言(ネタバレ)と日々の呟きです。

by hiziki921
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